がぶっ 烏猫は紙ごと外人の手に噛み付いた。 外人は驚いて烏猫を突き飛ばした。 烏猫は吹っ飛んだ。 その拍子に、くわえていた紙を飲み込んでしまったが、そんな事はどうでもよかった。 主人の具合が気になった。 「おだ!おだ…大丈夫か、おだ…。」 何故か今の一瞬で主人の具合はすっかりよくなったようだった。 烏猫が安心しかけたその時、紫だった目が今度は緑色になってこっちを見ていた。 烏猫はぞっとした。 口許に薄ら笑いを浮かべていたのだ。 外人は白い、すうっとした細い指をパチンと鳴らした。