ズルい-蓮井side-



「…優菜」


低い彼の声。あたしの好きなこの音。


だけど、それは、今は拒絶に聞こえる。



「帰ろ?」



手を伸ばす。ねぇ、そんな人よりあたしを選んで。


あたしの方がずっと綺麗で


あたしの方がずっと司さんを分かっていて


あたしの方がずっと傍にいたのに。



どうして、甘い香りひとつしない彼女を抱き締めるの?




もう、やだ。



ツラい。