とにかく、ソファに腰を下ろして、冷たいミカンを口にする。甘ったるいツブツブ感。口の中に広がるそれに何の意識もないまま、俺は黙々と食べていた。 携帯を鳴らすけど、出ない。寝てんのか?何時に帰ったか知らない。いつの間にかいなくなってた、それが当たり前の関係なのに、寂しいと感じる自分が可笑しい。 …変な女だな。 無理矢理にでも奪いたくなる。あの気の強い瞳を甘く、変えてみたくなる。いや、それよりも、無機質なその表情に、色をつけてみたくなる。 俺の短い思考は、携帯が小さく振動する音で途切れた。