「お互いの想い合ってる気持ち知って

俺の立場ないからさ。

もういい加減にしてほしいよ。

……山田さん、

俺に話をしてくれたような勢いはどこにいったの?」


あきれたように私を見る水野くん。


ああ、もう、優しいなあ。

私に振らせないようにしてくれているんだ。


ごめん、気持ちにこたえられなくて。


心でそうつぶやいた。



そして、


「ありがとう」


たくさんの、本当にたくさんの気持ちをこめて。



「さっきは桃井が勘違いして言ってたけど、

今度は正真正銘、俺の番。


……行ってらっしゃい」


余裕そうに笑うと、

彼は顔を俯け席を立つ。


「うん、うん、行ってきます!!」


水野くんに背中を押してもらった。

自分の気持ちも見つけた。


後は!!


勢いよく図書室を出る。

さっきまだ教室に居た、

急げば間に合う!!


校舎を駆けてアイツを探す。


教室のある階まで来て、

何度も見た後姿が目に入る。



「――稜佑っ!!」



やっと、見つけた!!