電話がおわって、ピッチをポケットに戻した先生は、申し訳なさそうに、わたしに言った。
「ごめん、ちょっとだけ離れる。ココア飲んで、ゆっくりしてて」
「〜い、行っちゃうの!?」
さらりと、きびすを返そうとする、柊先生。
思わず、白衣のそでを、つかんでしまった。
お仕事なのに、いけないことなのはわかってる。
でも、顔をあわせて、まだ数分のときだったから。
「あ・・・・・・」
「美景?」
「・・・い、いってきますの、キスして!!」
だから、恥ずかしいけど。
すっごくダイタンだけど、キスを、ねだってみた。
ふるえながら、突き出したくちびる。



