今日は、両想いになってから、はじめて柊先生に会う日だ。



ずーっとわたしの、一方通行の片想いだった。


柊先生は大人で、いつもわたしを、子ども扱いしてて。



だからまさか、受けれてくれる日が来るなんて、夢にも思ってなくて。




「ん、ココア」

「わ、ありがとう・・・っ」




手渡された、ほこほこ湯気をはくココアを、一口。



・・・気のせいかな。


先生の注いでくれたココアは、いつもよりずっと、甘い気がするよ。



カップに口をつけたまま、ちらりと、柊先生を盗み見する。



おでこの丸み。切れ長の、すずしそうな目元。すうっとなぞりたくなる鼻すじ。



さわやかで、王子さまみたい。


なにもかもが、わたしのどストライクだ。