「柊せーんせっ!」



夜の、病院の一室。


ドアの影からひょこっと顔を出すと、やさしい瞳が、こっちを向いた。



机の上に開かれていたカルテが、ぱたんと閉じられる。



柊先生は、ふっと笑って、わたしを見た。




「・・・やっぱり来た」

「へへ〜。当たり前じゃん」

「っし。コーヒーと紅茶とココア、どれがいい?」




すっかり慣れたとでもいうように、当たり前に、わたしの分のマグカップを用意してくれる。



立ち上がった先生は、やっぱりおおきい。



バスケとかバレーとか、向いてるんだろうな。


実際、運動は得意だって聞いたことあるし。



すらっと伸びた足。きっと、ユニフォームがよく似合う。