「自分で探せるのなら構わんよ」

 嫌味のない笑顔で発して玄関に向かった。

「!」

 帰っちゃうの? もう少しいてほしいけど……そんなコト言えない。

「あの……父の納骨には……」

「参列を許されるのなら」

「是非、来て下さい」

「詳細はまた連絡してくれ」

 上品な物腰で、傭兵と言われないと絶対に解らないその人は優しい微笑みを残して去っていった。

「……」

 ソフィアは1人、ポツンとリビングテーブルに乗せられている木箱を見つめる。

 溜息を漏らしフタを開いたその中には、白い陶器で出来た骨壺が納められていた。