「俺以外の男にその顔見せんじゃねぇぞ……?」

「へ?」


抱きしめてる咲羅の耳元で囁いた






「その顔ってどの顔…?」

「知らなくていい」

「じゃあなんで言ったんだよ」

「気まぐれ」

「ふぅ~ん……」





鈍感……

まぁ無自覚でやるから可愛いんだけど……
計算でやる女はちょっとキモい……



「でさぁ雅翔………」


「ん~?」


「いつまでこのまま?」







「…………………………咲羅は俺に帰って欲しいんだね……」

わざと落ち込んだ振りをする



「うん」


「……え?」


マジっすか……?


「面会時間終わりだし」


なるほど…なら仕方ない……




「じゃあな。咲羅」


「あ……ああ。じゃあな」



俺は咲羅に手を振って病室のドアに手をかけた