唇を塞いで




海に入って、思いきり笑った


恥ずかしさもいつの間にか消えてた



「ね、伊藤さん」


男子があたしの肩に腕を回した


「なに?」


あたしはさりげなく手をどかした

だけど、今度は腰に回してくる



「伊藤さん、坂井と付き合ってるんでしょ?」


分かってるなら触らないでよ


京以外には触られたくない



「俺ね、禁断の恋マニアなわけ」

「そ、それが?」


「彼氏のいる子と付き合うって禁断じゃないけど秘密で良くない?だからさ……」