唇を塞いで




「い、今から?」


「うん。授業はサボろう!」


のんちゃんはあたしの手を引いて学校を飛び出した


今のシーズン水着はどこにでも売ってる


一番大きなモールに入った



「たくさんあって選べないよ~」


「多分、ここにあるもの全部似合うよ」



「そんなわけないでしょ」


のんちゃんはあたしにとびきりの笑顔を見せた


「あのね…あたし…リクエスト受けた…」


「どんな?」


「黒…」


「まじ?黒…ねぇ」


のんちゃんはあたしを上から下まで見た