「――空…?」



私はなんだか空に名前を呼ばれた気がして振り向いた。



なんとか午前中の仕事が終わり、一段落している所だった。



空とはさっき別れたばかりなのに、もう会いたい。



私の頭の中はもう空で埋め尽くされていると言ったほうがいいくらい空のことばかり考えている。



あ〜なんだか私、変態みたいじゃない!!



私はすくっと立ち上がると自分の部屋を出た。



――ドンッ!!



「きゃっ」



私は誰かにぶつかってしまった。


「申し訳ありません姫様!!お怪我はありませんか!?」



声の主を見ると



「慎!!」



慎だった。



「すみません、急いでいたもので…」



慎は申し訳なさそうに私を見た。