「食べたら…行くか」



私は再び座り、目の前の朝食に手を付けた。



「……美味しい」



朝食にいつも出てくる卵焼き。
なんだか母の味?みたいで私は昔からこの卵焼きが好きなんだ。



黙々と食事をし、食べ終わった。


「よし、行こ」



私は立ち上がり、部屋を出た。



――これから私の人生が変わるかもしれない話を私は聞くんだ。



私の母がどんな人だったのか



いったい何をしたのか…



私はそんなことを思いながら父の待つ、殿の間に向かう。



一歩一歩近付いてくる。



知られざる真実が。



私の運命が――…