「海……話つけてくれたんだ…」



ついに母のことを聞く時が来たのか。



まだ不安だけど。



ちゃんと受け止められるか心配だけど



もう逃げ出せない。



行くしかない。



「――…さて。着替えて行くか」



私は起き上がると寝巻きを脱ぎ、掛けてある着物に着替えた。



「――おはようございます姫様!!朝食をお持ち致しました!!」



外から元気な声が聞こえる。



「ありがとう市之助。入っていいわよ」



「失礼致します!!」



ガラッと扉が開き、朝食を持った市之助が入って来た。



「いつもありがとうね」



「とんでもございません!!当たり前のことですから」



市之助はニコッと微笑んだ。



「では失礼致しました!!」



市之助は元気良く去って行った。


相変わらず元気ね、市之助は。