「ひっ…お許しください姫様!!私はまだ死にとうございません!!」


青ざめた顔で必死に訴えてくるバカな男。



だったら最初からこんなことしなきゃ良かったじゃない。



「――…問答無用」



「姫様っ……!!!」



――ザンッ!!



「――…う゛っ……」



男の右腕からドクドクと湧き出る血。



けど私が知ったことじゃない。



「……次は殺す」



私は低い声で呟くと剣をその場に投げ捨てた。



ちょっとやりすぎたかしら…



いいわよね!!



婚約者がいる私にあんなことしてくるあの男が悪いんだもの。



私はそう開き直ると食堂までの道のりを急いだ。