落ち着け、桜。



私はこんな男に負ける様なヤワな女じゃない。姫じゃない。



考えるんだ、方法を。



助かる方法を――…



――あ。



私は男の腰に差してある剣を見た


男は私に夢中になり、剣など気にも止めてない。



タイミング良くあの剣を引き抜いて私の手元に置ければ…



こんな男、一発で殺れるわ。



まぁ殺しはしないけど。



私はそうっと男の腰に手を伸ばした。



――もう少し。



あと少し―――



―――やった!!



剣を掴んだ。



私はニヤッと笑うと男に言った。


「――…この…無礼者!!」



バシィッ!!



「うわあぁっ!!」



私は力いっぱい剣を男に叩き付けた。



男は尻餅を着いた。



「……この私に手なんか出しておいて…ただで済まされると思うなよ」



チャリンッ!!と鞘から剣を抜いた