私が慶太をみていうと、慶太も私を見ながら言った。
「こうやって、ちょっと距離が縮まった方がよくない?」
慶太はそう言って私の腰に腕をまわしてきた。
一瞬私が今おかれている状況がどんなものだか把握できなかった。
だが少し頭を整理すると、一気に拒否反応というものが私から発令された。
やっ・・・なに、いきなり!
密着し過ぎてる!
「ちょ、やめてよ!」
私はでてきた言葉をそのまま慶太に言って、私の腰に絡まる腕を取り外そうと奮闘した。
でも私に絡まる腕はいっこうに外れそうになかった。
ダメだよ・・・。
さっきわりきれたのに・・・。
またわりきれなくなる・・・。
私は自分の体質を思い出した。
“将さん以外の男に触れられると涙がでる"
そんなことを思い出している間にも涙がこぼれた。
その涙の一粒が慶太の手におちた。


