そして相手の言う言葉に耳をかたむける。
そして慶太の声が耳に響いた。
『・・・話してたい。
樹菜と。
・・・樹菜の声を聞いてたい。』
・・・慶太の声は少し熱っぽく、私に甘く囁いた。
悔しい。
悔しすぎる。
なんで慶太にドキドキしてるんだろう。
私のバカ。たった一言、囁いただけでこんなに心臓が高まるなんて・・・。
私は浮気性なのか。
ううん、違うと信じたい。
ただ、ただ、ただ慶太が女の子をドキドキさせる得意なだけ。
私はなにを言っていいかわからないし、通話料も気になることから耳をケータイから離し、
通話終了ボタンを静かにおした。
大嫌い。
こんな自分、なんでこんなにもドキドキしてるんだ。
ただの友達なのに。
私はこの瞬間、“男女の友情"なんてものはこの世に存在しないと確信した。
そして私は静かにケータイを閉じた。


