私の怒りのバロメーターがふつふつと上がっていくなか電話の相手は笑い声をもらしていた。
『アハハっ・・・
まじ・・・ウケる・・・
アハハっアハハっ!
ハハハハハハハっ!!
まじ腹いてぇっ・・・!』
笑うな、コイツ!!
っチ・・・
笑いやがって、しかもバカにしているな。
ウザいんですけど。
早く言葉の意味を知りたいんですけど。
てかお腹減ってるんですけど。
私は一旦ケータイを耳からはなし、ディスプレイに表示されている通話時間を確認した。
思わずその数字に衝撃を覚えた。
・・・10分!?
ふ・・・ふふふッ普通ならこんなの序の口だろう。
普通の女子高生であれば。
しかし・・・私は人より金はない。
むしろ8人家族のようなものだ。
私はWIL〇COMではない。
通話料、高い。
あーダメだ。
これは・・・総さんに雷おとされる。うん。
前、里沙がケータイで長電話しすぎて通話料がヤバい額をいったとき、
この家に稲妻がビリビリ走った。
ほんとーにヤバいかも。
いきなり冷や汗がダラッダラ溢れ出てきた。
「・・・ゃく・・・」
自然に私から声がもれていた。
『ハハっ・・・
えぇ?きこえねー』
慶太は笑い混じりに返答してきた。
コッチは生死がかかってんの!
笑うなぁ!!
「早く用件を言え!」
私の大声は廊下に響きわたった。


