数秒の沈黙が流れた。
この重たい沈黙を破るのはどちらなんだろう。
私は人事のようにそう思って沈黙が破り去られるのを待っていた。
そしてそのときがきた。
私からは破らなかった。
むこうから破ってきた。
思いもよらぬ言葉で。
『・・・
言ったな?
お前今“うん"って言ったな?
許すんだな?』
・・・
もう一回の沈黙。
・・・はぁ?
なんだこいつ・・・。
もっと重たい言葉をはなってくるかと思ったら・・・。
なに、これ、超軽いんですけど。
空に羽ばたくほど声、軽くて明る過ぎるんですけど・・・。
「・・・はぃ??」
私は頭の整理もつかず、とりあえずポーンと頭にでてきた言葉を言った。


