距離が縮む。
5メートル、4メートル、3メートル、2メートル・・・。
1メートル・・・
まず、なんて言おうかな。
ただ私は彼を見つめた。
彼も私を見つめる。
視線が絡む。
沈黙がどれほど続いたかわからない。
そんな永遠とも言える沈黙を破り去ったのは聖のほうだった。
「・・・よ・・・」
たった一文字。
たった軽い挨拶。
でも私はそれだけでも話し出せる分の勇気ができた。
「・・・慎さんたちから・・・聞いた・・・」
私は小さく目を見ながら言った。
そしてそれから彼は少し舌打ちをした。
「余計なこと言いやがって・・・」
そういって少しだけ白い歯をみせながら言った。
「ありがとう・・・ね」
私は素直な気持ちを彼にぶつけた。
「いや、ありがとうな
こっちも。」
そして私の頭を撫でた。


