ガチャリ・・・
ドアをゆっくり閉めきって安堵の息をついた。
次の瞬間、
何かゴツいものが私の口をふさいだ。
「!?」
一瞬、なにがおこったなにもわからなかった。
焦る私。
そしてなにより・・・
い・・息ができない!
だれかに後ろから手で口・・・抑えられてる!
苦しい・・・
私はどうしていいかわからず、とりあえず相手の手をタップした。
そして耳元に気配を感じた。
「樹菜?何してんだ?」
気配を感じた次の瞬間にはもう、耳元にセクシーボイスが響きわたっていた。
聖か!
「ぐ・・・ぐぶじぃ・・・」
聖だとわかると、とりあえず自分の今の焦りを伝えた。
なんて酷い発音なんだ。
もっと器用に喋れるはずだろ。
我ながら乙女とはいえない・・・。
「あ、ごめん」
そういって聖は手をはなした。
私は大きく息を吸った。
「く・・・苦しかったぁ・・」
私はほっと胸を撫で下ろし、聖を睨みつけた。
人を殺す気なのか!
冗談だったとしても力配分が間違っている。
そう思っていたら、聖が口をひらいた。
「で、将の部屋からでてきたけど・・・
何してたのかな?」
聖は私の目線に合わせてそういう。
まるで私に『チビ』とでもいいたげに。


