「誰だ」
中から聖の声。
低くて少し、ほんの少し恐い雰囲気が漂う聖の声。
「わたっ・・・私だけどっ!」
はずっ・・・思い切り噛んだ。
何、自分『わたっ・・・』て・・・。
私はドアの前で一人、自分の中で緊張した空気を壊そうとしていた。
「おー、はいれ」
少々命令口調がムカついたが『失礼します』
っと言いながら部屋にはいった。
中にはソファーに横柄に座りながら何か資料に目をとおしている聖がいた。
「いま・・・大丈夫?」
私はソファーに少しずつ近づきながら言った。
聖は一言、“あぁ"とだけ言った。
別にいいんだけど。
私は立ったまま喋りだそうとしたのだが、聖はソファーの自分の隣をバシバシ叩いていた。
「・・・?」
私がそのまま棒立ちでいると、聖は偉そうに、
「おまえ馬鹿、隣に座れって意味だよ」
そう言って私の腕を掴んで隣に座らせた。
私はなるべくソファーの端に体をよせた。
そうする私に聖は無理矢理私を隣に引き寄せた。
私はその動作にビクンと体が反応した。
また自分が傷つきそうになって・・・泣きそうになる。


