何分かすると将さんは唇をはなした。
そしてすぐ私を抱きしめた。
そんな行動に胸がキュウって締め付けられる。
「もう・・・我慢の限界だ。」
将さんの声は少し奮えていた。
私の耳は将さんのせいで熱くなる。
それでもなんとか声を搾り出した。
「え・・・?」
私は言葉の意味がわからなくて聞き返す意味の言葉を発する。
私がそう言うと、将さんは熱っぽい声で言葉を言いはじめる。
「俺、樹菜ちゃんが・・・
好きすぎてヤバい・・・。」
私の耳元に吐息がかかった。
私の耳に響いた言葉。
“好き"・・・?
聞き間違えたかなと思った。
私を?なんで?嘘?
でも・・・、
私は将さんが嘘をつくような人だと思ってない。
そう、だから・・・つまり・・・
本当のことなの?
そう思うとジワジワと心が熱帯びていく。
ドキドキと心臓が鳴り響く。
好きな人から、好きと言われる事がこんなに嬉しいことだなんて、初めて知った・・・。
嬉しい。嬉しすぎる・・・。
自然にまた涙がこぼれた。
今日・・・何回泣いてるんだろ・・・。
涙は、自分の気持ちによっては枯れないものなんだね。


