何分たっただろう?



いや、何時間かもしれない・・・



随分、雨も止んできて・・・




辺りは真っ暗だ。


そんななか、なにか物音が私の耳にはいってきた。


「樹菜―っ・・・」




聞き覚えのある声だ。




空耳空耳。




意識が朦朧としてるんだ・・・




きっと・・・。


そして目を閉じた。


でも私の名前らしきものを呼ぶ声が耳に入り込む。


「樹菜!!」




走る足音。




私に近付いてくる。




私の座ってるブランコの前でピタリととまる足音。



そして誰かの荒い息遣いとともに言葉が耳に入り込んだ。



「樹菜・・・帰ろ」


私は言葉の意味を認識した。


そして私は顔をあげた。