もう行った時には

客もいっぱいいて席があまりあいてなかった。



「前の方行こーっと」



そう言って階段を下りる梓を

俺は腕を引っ張り止めた。


「前はダメ。」

「何でよ~?」

「ほら、前の方見てみ?」



俺は前の席と

その席に座っている客を指さす。



「・・・水しぶきにご注意を?」

「そう。」

「みんなポンチョ持ってる・・」

「そうそう。前の方はね、

 水しぶきがかかって風邪ひいちゃうから。」




俺が簡単に説明すると

梓は首をコクコク動かし

上の方の席へ座った。




「えらいね?」

「うん!」




その後、イルカのクーチャンが

飛び込んだり、ボールキャッチしたり

いろんな技を見せた。


梓はその1つ1つに

興奮気味だった・・・。