「…やだっ」

 私が振り払うと
 龍は一瞬驚いた顔をした

 「……。なんなんだよ…」

 龍は私を置いて
 廊下を歩いて行った

 「……………。
 分か…んない…よ……
 ……ばか……龍のばか」

 涙が零れ落ちる
 何の涙か、なんて
 私には分からなかった。