「…よしっ」
理科室を出て歩き出す
「那香。」
「…!」
振り向くと、
理科室の扉のすぐ側に
龍が立っていた
「…龍?びっくりした…
どしたの?」
「……………。いや、別に」
「……?何?」
龍は面倒そうに私の横を
黙って通り過ぎていく
慌てて後を追う
「ねぇ龍!何?どしたの?
「……なんでもねぇって」
「言ってくれなきゃ分か…」
「…―うるせぇな」
急に立ち止まった龍の背中に
ぶつかりそうになる
龍の口調がいつもと違う
怒ってる……?
龍は振り向いて、
私を一直線に見下ろす
でも、いつもと違う
冷たい目


