「…腹減った。
 美味そーなの食ってんのな」

 「珪食べる?」

 珪はそのまま
 私の手の新商品チョコを
 口に入れる

 「…あー…甘…」

 「新商品だよっ」

 微笑むと、珪は表情を変えず
 私のおでこを突いた

 「…っ…何すん…」

 「教師を下の名前で呼ばない
 宮下先生、な」

 珪は年が若く、
 見た目も私達と変わらない

 白衣を来てなければ
 同級生に見えてしまう。

 そのせいか、皆が懐き易く
 珪くん、や珪ちゃんなど
 下の名前を呼んでいる人は
 結構少なくない。