自分でも泣いてる事に気付かなかった。


そっと近付いて
私を自分の胸に抱き寄せる翼くん。

「どっからどう見たって、ラブシーン。
誰も奈央ちゃんが泣いてるのなんて気付かないよ♪」

耳元でそう言って私を笑わせようとする翼くん。
そんな優しい翼くんに甘えてばっかりの私。

「無理すんなって。
泣きたい時は思っ切り泣けばいいんだ。
俺の胸で良ければいつでも貸すよ?
意外と広いでしょ?(笑)」

こくんと頷いて
私はただ翼くんに甘えていた。