近くて遠い距離

「そんな事・・・ないよ?」

「いやいや、翼くんは奈央に絶対気があるって!」

言いながらも、彩の表情は少し曇っていた。


「たまたま席が前後だから声を掛けてくれるんだよ。
彩が私の席なら、きっと彩に声を掛けてたと思うし」

「そうかなぁ?」

「そうだよ・・・」

「じゃぁ、龍の事はどう思ってる?」