「英語なのに辞書忘れてさ~。
同じクラスのヤツには借りれねーじゃん」

「だからって、なんで奈央に?」

「お前、帰国子女じゃん?
辞書なんて必要ねーだろ?
持ってる訳ねーから奈央ちゃんに借りた♪」

「・・・・・・」

手をグーにしたまま翼くんが立ち尽くしてる。

「そんなら翼・・・持ってた?」

「いや、持ってねー・・・」

「だろ?俺の読みが正解!
つー訳で奈央ちゃん、ありがと!
今度ジュース奢る」

「い、いいよ、そんなの」

「ま、遠慮しなさんな!
じゃ、またな、翼!またね~、奈央ちゃん♪」