電車が見えなくなるとあたしは「よしっ」と気合を入れて目に溜まった涙を拭った。 大知との再会の日まで、あたし、絶対に耐えて見せる。 距離は離れても、心は離れない。 そう信じてるから……。 一年後、また会おう。 その約束があれば、大丈夫。 あたしは駅に背中を向けて歩き出した。 「大丈夫……大丈夫」 と、何度も自分自身を励ます様に繰り返しながら。