小さな恋【完結】

もう繭ちゃんは学校にいないかもしれない。


いる保証なんて何一つないんだから。


こういうとき、繭ちゃんの連絡先を知っていれば何かしらアクションを起こせたのに。


その時になってようやく気付いた。


繭ちゃんの電話番号も、メアドも、家も。


いつもどこに遊びに行くのかも、放課後誰と一緒にいるのかも。


あたしは、繭ちゃんのことを何一つ知らなかった。


そんなことに、今更気付くなんて……。