「あの子どうしちゃったの……?」 「ヤバくない?」 廊下に立ち尽くして涙を流すあたしに周りから好奇の目が注がれる。 だけど、そんな目も気にならない。 自分ひとりだけ、この世界に取り残されてしまったような感覚。 怖くて、苦しくて、切なくて。 真っ暗な世界に放り込まれてしまったような気分。 あたしの世界にあった一筋の光。 それは紛れもなく、大知だった。 でも……その光はすぐに失われてしまった。