ミルクティー

「雛那ちゃん、雛那ちゃん」

少し目を開ける。
海斗？
さっきのは夢？

「もう、家に着くから起きて」

家？
どうゆうこと？
ここは…
私はもう1度目を閉じようとする。

「ダメダメ、もう起きなきゃ」

体を揺すられる。


「んー…」

「ほら、もう時期家に着くから目を覚まして」


頭が回らない。


「海斗？」

「ん？どうした」

私はなんだか急に寂しくなった。
たぶんさっきまで見ていた夢のせい。


海斗が隣にいる。
私は海斗の手をギュッと握った。





温かい。




「どうしたの？」

いつものように優しく聞いてきてくれる海斗。

「怖い夢、見た」

「そっか…
もう大丈夫」

それ以上は何も言ってこなかった。
けど手はずっと繋いでいてくれた。

「陸は？」

「あいつは今トイレ。
そうだ、これオレンジジュースだけど飲む？」

「…ありがと」

オレンジジュース。
その味は私の寂しさを消してくれた。