イレーヌは追ってこなかった。


俺の心配ばかりするなっつーの。


自分が嫁に行く心配をしろって。


武術に長けている妹に相応しい男はなかなかいないのだが。



§ § § § § §



「おはよう キース!」


ロイが神殿のお祈りを済ませて外へ出るといつものようにキースが待っていた。


「おはようございます 王子」


「う~ん、なんだか今日はカタッ苦しいね?」


「そうか?」


キースはニヤッと笑って答えるとロイは明るい笑みを向けた。


「今日の鍛錬では何を教えてくれるの?」


「そうだな……」


ロイは何にでも貪欲に覚えようとする。


身長も伸び、あっという間に大きくなってしまう気がした。


妹のアンジェリカももう2才だ。


最近は月日が経つのあっという間だなと感じる。