キースに頼む俺は城に帰ろうと言われてパニックに陥っていたのかもしれない。



ズキズキと痛む腕が気持ちを狂わせていたのかもしれない。



「……わかった」



キースはクリスの腰に腕を回すと自分の方に引き寄せた。



「男は……まず、その大きな瞳で見つめられるのが好きだ そう、キスして欲しいように少し唇をひらく、いや、そうじゃない 開き過ぎだ 開いているか開いていないかぐらいがいいんだ」



言われるままに、見つめ、唇を少し開く。



キースはクリスの顔を少し伏せた目蓋から見やると唇を重ねた。



「ん――――っ!」



実際にキスされると、拒絶反応が起こりキースの胸を拳で叩く。



「いってぇ……お前な……それじゃあ先へ進まないぞ?教えてもらう気はあるのか?それに拒絶をするな、なえる男もいるからな」



嫌がる女を自分のものにする事に喜びを得る奴もいるが……。