布の裂ける音が聞こえた。


出血する腕にキースの服の破かれた布が巻かれた。



あの時みたいだ……。



あの時もキースは自分の服を破り俺の腕に巻いてくれたっけ……。





濡れたままの俺はいきなり抱きあげられた。



「ここは危険だ 血の匂いで獣が集まってくるからな」



「あ、歩けるよ」



「無理だ、ショック状態だろう?身体が小刻みに震えているぞ?」



「さ、寒いからだ……俺、服を着る」



「そんな時間はない」



キースは俺を抱き上げたまま走り出した。