薄い衣だけをまとった俺は湧水の中へ入った。



湧水は冷たかったけれど、ほこりまみれの汚れを流したくて頭まで浸かった。



「ううっ……つめたい……」



髪の毛を洗い、身体も手でこすっていく。



ガサッ



草が踏まれるような音を耳にした。



警戒して身体が止まる。



もう一度、音がしないか耳を澄ます。



キースだったのかな……。



キースの方を見ようと顔を動かした時、目の端に黒い影がよぎった。



「!?」



「じっとしてろ!」



キースの押し殺したような声が近くで聞こえた。