野宿をしないだけでもありがたい。



軽装備で火もおこせないから、野宿をすると山にいる獣の餌になる。



「カイナン達は大丈夫かな……」



「とりあえず、下山するのは朝を待って留まっているだろうな 大丈夫さ 食料も積んでいたしな 俺たちの方が飢えそうだろう?」



「そうだ、何もなかったんだ」



朝、木の実を食べ、昼に騎士団が持ってきたパンと干し肉を食べたっきり。



「俺、木の実採ってくる」



俺は出ていこうとすると、キースに手首を掴まれた。



「バ、バカか?何も持たないで獣に勝てるのか?暗くなると獣がうろうろするとお前が言ったんだぞ?」



「……そうだった」