「お前はっ!?」



俺の髪を見て思い出したように奴も叫ぶ。



「お前のせいで、死ぬ思いだったんだ!」



俺は剣を頭上に構えた。



いつでも飛びかかれる体制だ。



そこにキースの厳しい声がした。



「クリス!お前は手を出すな!」



「っ!キース!何を言っているんだよ!」



「こんな雑魚、俺たちだけでやれる お前は見ていろ」



キースはそう言うと、山賊たちの中へ突っ込んで行った。



続いてカイナンや騎士も。



キースはロイの言ったことを忘れていた。



クリスは自分を傷つけた男を許さない。



今度会ったら自分で復讐する……キースはクリスが隅で大人しく待っていると思っていた。



キースにとって、山賊のたった5人は敵ではなかった。



だが、狭い洞窟の中、そして片側は絶壁。



戦うには狭い場所だった。



クリスは自分を傷つけた男に飛びかかった。