キースは外に出て馬たちに草を食べさせていた。


「キース」


近づくとキースが振り返った。



「早いな」



「キースの方が早い 眠れなかったのか?」



俺が眠った後、すぐに目を覚ましたのかと心配になる。



「いや、俺は3時間眠れば十分なんだ」



「へえ……すごいな」



俺は真剣な顔で言った。



「午前中までには、シェルトランドの騎士団が来るだろう」



「どうして来るんだ?」



「山賊をこのままのさばらせておくわけにはいかないだろう?」



「……そうだな」



俺は騎士団が来ると聞いてちょっと焦った。



馬と剣を盗んだ俺を捕まえに来るのかと思ったんだ。



「……もしかしたら奴らはもう少し先に行ったところにある洞窟にいるのかもしれない」



洞窟の入り口は狭く、絶壁に近い場所にある。



あそこならば、山の獣たちから身を隠すことが出来る。



「洞窟か、そうだな そこにいる可能性は高いな」



「俺も行く!」



そう言う俺の顔をじっと見ていたキースは何も答えなかった。