鬼頭の僕を見る目は時々憎しみのこもった冷たい視線だった。
恨まれることをした覚えがない、なんて思ってたけど……
以前、楠のお見舞いに行ったとき病院で鬼頭を見た気がした。
あれは気のせいじゃなかった。
それにあの白い服。
あれの色違いの服が楠の病室に掛けてあった。
事実はいつも僕の目の前にあったのに、それに気づいていながらも僕は知らないふりをしていた。
だけど現実は、最も過酷な状況で僕の前に突如姿を現したんだ。
「俺たち兄妹と雅は実の兄弟のように育った。特に乃亜と雅はいつも一緒にいてホントに仲のいい姉妹だったよ。
乃亜が自殺未遂をおかした日も雅が遊びにくる予定だったんだ」
楠の言葉に僕は眉を寄せてその言葉をじっと聞いた。
「そこで事実を知った。
事実を知った雅はあんたに復讐するって言って今まで計画を練ってたんだ」
「僕に復讐……」
だから僕に近づいたのか……
だから僕を好きだと言ったのか。
なんだ……
今更ながら納得がいったよ。



