彼女は出ていくときに、俺にメッセージを残した。



いま俺に出来ることは、彼女の気持ちを大事にしてあげること。



それだけだ。



「……でももし、あの子がここに戻ってくることがあったら、そのときは受け入れるから」



「うん……ありがとう、翔さん」



自分のことよりも、自分以外の誰かを想う



自分以外の誰かの幸せを心から願う



そんなふうに思える人と、



一生のうちに出逢えることは、めったにないことだと翔さんは言った。



俺の願いは、



咲下が幸せだって心から笑ってること。



気づいたんだ。



咲下の幸せが俺の幸せなんだってこと。



咲下の笑顔が俺の幸せだってこと。



誰より大切なキミという存在が、いつも俺の心を支えてくれていた。



ありがとう。



キミに出逢えたことが、俺の人生で



いちばん幸せで



いちばんの宝物だ。