永遠とは何?



そう訊かれたら、俺はこう答えるだろう。


永遠とは、俺達の絆。俺の想いの強さ。


俺はそれを、他の女に捧げようとした。


芹霞という存在を、他の女にすり替えてしまった。


そんな愚かな俺に、それでも芹霞は再び永遠を約束してくれたんだ。


今の俺を必要としてくれたんだ。


そこに俺が求めるような、激情が見え隠れして。


芹霞の…複雑すぎて俺を拒み続けた感情が、少しずつ形を変えていっている…そう思える状況が嬉しくて。


ようやく、今の俺を見てもらえるのか。


弱くただ守られるだけではない、お前を守りたい"男"の激情を持つ俺を。


興奮にも似た喜悦に、心躍って。



ああ――


そこに例え俺以外の男の存在が大きくなっていても。



だけど、俺には"永遠"がある。


俺だけに"永遠"がある。


俺だけに――。





芹霞にとって、"永遠"とは何だ?



8年前の芹霞はこう言った。


永遠とは、運命なのだと。


あの時、手と手を絡めて指に嵌めた…結婚指輪のCMを見て、真面目な顔で俺に言ったよな。


今思えば、製作会社の思惑に乗せられた感も強いけど。


――櫂だけはずっと、あたしの"永遠"の運命の相手でいてね?


絶対離れない…そんなCMの視覚効果に感化されたのかも知れないけれど。


だけど俺にとっての真実は、具体的な決心は…そこから始まったんだろう。


永遠に、俺のものにしたいと。


お前は俺の運命の相手だと。


俺のこの想いは、"永遠"なのだと。




なあ――芹霞。



今でも尚……



俺だけが運命の相手だと――


俺の目を見て言えるのか?