優の足が意外にも早かったため、私達は自転車で走るしかなかった。
優は交通事故にすることになっている。
ツツジが死ぬと同時に車にはねさせる事にしてある。
優を追い掛けているとき、ピンときた。
ツツジが息絶えた。
「今だっ!!」
私が指示を出したと同時に、ハディスの手から青白い閃光が放たれ、そして次の瞬間
優の身体が大きく跳ねた。
……………
三途の川はいつもながら閑散としていて、ほとんど白い世界だ。
三途の川の風景は死んだ者の最期によって変わる。死人がもし良い、家族に見守られて死んだら一輪や二輪くらい花が咲くのだが、病死したもののほとんどが今の風景だ。
多分、病室の白い色が影響しているのだろう。


