「お前に弱いとこ見られて・・・好きなのに、嫌われるんじゃねぇかって・・・怖くてさ。」
「へ・・・?好き・・・?」

それを聞いて、瀧太郎は更に顔の赤みを強くする。

「いや・・・それは・・・お前のことだけど・・・!あああっ・・・えっと、その・・・」

さっきの威勢のよさはドコに行った。
私はそう言ってやりたくなるが我慢した。
もはや喋り方がガチガチになっている。

「気にするなよ。」

ゆったりとした蒼の声が、その場を静まり返らせた。

「好きでいてくれて、むしろ良かったよ。」

そのとき、死神のような表情は消え、温かい優しい顔になった。

「あたしも好きになったからな。君が。」

やった!
私は誰にも聞こえない声援を上げた。

「ホントかよ。」
「あたしの方は嘘じゃないさ。ま、君のほうが嘘付いてたならそれまでなんだが。」
「・・・じゃあ証明してやるよ。俺が嘘言ってない証拠。」

それだけ言うと、瀧太郎は蒼を抱き寄せてそのまま口付けた。