「良かったのか?あれ」
「ん?」
「井上だよ。お前姿見られたし、目ぇ付けられるぞ。」
「知るかよ。お前が先だろうが。」

それを聞くと、しかめっ面になりながら晴が赤くなる。
下を向きながら、晴はぼそりと呟く。

「良かった・・・」
「何がだよ。」
「咲夜がさ、主犯じゃなくて、それどころか、あの時のイジメにも加わってないって、井上が言ってたからさ。」
「俺だって前からずっと言ってたじゃねぇか。それよか・・・」
「よか?」

質問攻めにしたような顔で晴が言うと、今度は咲夜が赤くなって言う。

「ちっ・・・。言わすんじゃねぇ、お前だって、心底は分かってんだろ。」
「それは・・・そうだけどさ、言いにくいだろ。」
「くそっ、話が進まねぇよ。・・・ちょっと耳貸せ。」
「?何だよ」

晴がゆっくりと耳を近づけると、その隙を狙って咲夜が晴の頭を抱えて引き寄せ、サッと口付けてやる。
私には、その様子がまるで以前の瀧太郎と蒼の時の仕事をリピートしたように見えた。

「お幸せに」

そう言うと、私は鈴を取り出す。