あくまで予想とは言えど、可能性は十分だ。
殴り返すことも出来ないなんて、あたしも勇気の無い奴だ。
こういう場合は誰かが助けに来る所だが、現実には絶対にないことだろう。
ほとんど諦めかけた時と同時だったろうか。

「あ゛っ・・・!」

棒に思い切り突かれたらしく、咳き込んであたしの前に倒れる。
何が起こったのだろうかと前を見てみると、咲夜が竹刀を突くようにしていた。

・・・・・・・・・・

咲夜に後ろから攻撃された宙人は、何が起こったのかも知らずに倒れこむ。

「咲・・・夜」
「・・・大丈夫かよ。」

口をすぼめて、咲夜がヒュウと息を漏らす。
すると、宙人は会話を聞いていたらしく、咳き込みながら言う。

「五十嵐っ、てめぇか」
「あ、生きてた。」

苦しそうに起き上がりかける宙人を見てギョッとしたのか、咲夜はサッと晴の手を引いて駆け出す。

「てめぇ逃げんのか、喧嘩売ってんだろ」
「悪ぃな、俺は親父みたいに喧嘩強くねぇから」

振り向きながら言い放つと、咲夜は早々とその場を去って行った。

いったん離れた公園まで走ると、息を切らしながら咲夜が言った。

「大丈夫か?何もされてねぇか?」
「されてないって、未遂だ。」
「は・・・、そっか。」

苦笑しながら咲夜がその場に座り込んだ。